■ 母乳育児
子供が生まれたら母乳で育てたい!と思われる方はたくさんいらっしゃいます。でも、「どうやって母乳を与えるの?」「与えるタイミングは?」「トラブル、どう解決すればいい?」「いつまで続ける?」・・・
誰もがはじめは初心者で、意外と誰もはっきりとは教えてくれなかったりしますよね。
そこで、日本で母乳育児をしていた時に、桶谷式母乳相談室の助産師さん・小児科の先生から聞いたアドバイスをまとめました。
また、リヨン在住の助産師さんであり、ガスケアプローチの講師をされているひでこさんに監修いただきました。
■ 母乳についてのヒント
母乳育児のトラブルや対処方法は、各個人の状態により異なります。
下記はあくまでも一例であり、対処方法も、すべての人に合った方法ではないことをご了承ください。
[母乳育児の始まりはどんな感じ?]
・母乳は乳腺等に障害がない限り、必ず出るそうです。赤ちゃんが吸うことで分泌します。
・出産から乳腺が開通するまでには個人差があり、初産婦さんは3-4日かかるのが普通です。
・お母さんから母乳が出るまでの間、赤ちゃんは胎内蓄えた脂肪を栄養源とします。
・現在、乳腺を開通させるためのマッサージは行わなくて良いと言われています。
乳頭、乳輪のケアとしてマッサージを行うことはあるそうです。
(以前(2007年ころ)は、乳腺を開通と母乳分泌量を増やすため、頻回マッサージで血流を良くするよう言われていました。
マッサージは表面ではなく、乳房の奥から乳頭まで乳腺を通すイメージで、しこりがある部分は少しずつほぐすという方法でした。(母乳相談室))
[授乳間隔は?どれくらい与えるの?]
・母乳はいくら飲ませても太りすぎることはありません。
・赤ちゃんが欲しがるたび、飲みたいだけ与えて大丈夫です。
新生児は2時間経つ前にほしがることも。こまめに授乳します。
・授乳後の後搾りはしません。徐々に赤ちゃんの飲む量とお母さんの作る量のバランスが取れてきます。
母乳は血液からできているので、体内から血液がなくならない限り乳房内の母乳が空っぽになることはないそうです。
(以前(2007年ころ)は、赤ちゃんが飲んだ後、まだ乳房が張っている場合は、適度に搾乳、搾乳することで次回授乳時までに張りすぎることを回避し、乳腺炎等のトラブルも予防できると言われていました。(母乳相談室))
・母乳が出すぎる場合も、後搾りはしません。
母乳分泌過多の場合は、搾乳すると刺激になりさらに母乳分泌過多になる傾向があるので、搾乳は勧められないそうです。
(以前(2007年ころ)は、出過ぎる場合は搾乳を控え、少ない場合は搾乳の刺激で母乳量が増えるようコントロールするよう言われていました。(母乳相談室))
[トラブルかも?!対処法は?]
・母乳が乳頭で詰まった場合(白斑)の対処方法。
白斑は、乳頭の薄皮の下で母乳が出られずに溜まっているような状態です。
からだが冷えていませんか?浅飲み(赤ちゃんが乳首の先だけ吸っていることです)になっていませんか?
授乳間隔が開いていませんか?暴飲暴食をしませんでしたか?白斑を針でつつくのだけはやめましょうね!
トラブルがある時のセルフマッサージは、勧められないそうです。
これらを見直しても改善しなかったらご相談ください。(→ひでこさん談)
(以前(2007年ころ)は、抱き方で飲む向きを変えて、赤ちゃんに詰まりを吸い出してもらったり、マッサージで血行を良くし、乳頭の先で固まった母乳を新しい母乳で押し出すよう言われていました。(母乳相談室))
・乳腺炎になったら、すぐに医療機関へ行くことをおすすめします。授乳時の痛みや、熱っぽさなどを感じたら要注意です。
母乳を続けたい場合はその旨を話せば、断乳を勧められることはありません。
・漢方薬の「葛根湯」は血流を良くし、乳房のコリ・肩こりをほぐします。母乳の出もよくなります。...が。
母乳分泌の促進は頻回授乳、血行改善と肩こりには正しい姿勢と抱っこの方法で改善することが効果的です。
正しい授乳姿勢と正しい抱っこの方法を取れていないお母さんが多いそうです。お薬は最後の手段ですね!
・乳房が熱を持ってつらい場合は、ブラジャーの間にキャベツの葉をはさむとゆるやかに冷やしてくれます。
[断乳?卒乳?いつやめるの?]
・卒乳の時期は、お母さんの都合がつく限り、赤ちゃんの希望に任せても大丈夫です。
赤ちゃんがやめたくなった時が、卒乳の時期なんだそうです。
小学生でも母乳を飲む子はいるそうです。異常ではなく、お母さんとお子さんがそれでいいならいいと言われています。
・断乳は年齢があがると一般的に難しくなると言われています。
(物心つく3歳直前まで飲んでいた子が、なかなか忘れられず後を引くということもありました。)
母乳育児相談を受付けているリヨン在住の助産師ひでこさんは、母乳相談を個人的に受け、お母さんと赤ちゃんに実際に会って、いろいろな面からアドバイスしてくださるそうです。トラブルかな?と迷ったらすぐ、相談されることをおすすめします。
(参考:■ 女性向けのエクササイズ教室 (ペリネエクササイズ))
■ 母乳育児のQ&Aサイト
母乳のプロや、母乳育児経験者からの答えがたくさん掲載されています。
(参考:桶谷式乳房管理法研鑽会|母乳育児FAQ
ラ・レーチェ・リーグ日本 - 母乳育児のよくある質問集
母乳育児中の白斑、原因と治し方まとめ。授乳中に痛みが取れないときは? - こそだてハック)
■ 母乳育児の世界的な団体「ラ・レーチェ・リーグ」
以前、日本で母乳育児について悩んだ時に、小児科のお医者さんラ・レーチェ・リーグの本を紹介いただきました。
悩みを悩みではなくする、すっきりとした答えが得られる本でした。
(参考:Amazon.co.jp: だれでもできる母乳育児: ラレーチェリーグインターナショナル
母乳育児支援 ~ラ・レーチェ・リーグ日本 オフィシャルサイト~
La Leche League France)
母乳育児がつらくて重荷に感じてしまうお母さんが、少しでも救われることを願っています。
(AK! 2015/10/24更新)
[関連情報]
■ 女性向けのエクササイズ教室 (ペリネエクササイズ)
母乳や育児に関する相談も受け付けているそうです。
■ 妊娠・出産・育児のまとめ本「LE LIVRE BLEU L'enfant du premier âge」
フランス語の妊娠出産育児の無料小冊子です。(医療機関で無料配布されています)
産後の母乳・ミルクや離乳食の進め方なども書かれています。
[過去の記事]
■ 1区: 母乳育児のアソシエーション
「Groupe allaitement lyonnais accueil conseil témoignage écouté entraide」の情報です。
詳細は、下記のサイトをご覧ください↓
www.galactee.org
04.72.07.01.00
4 rue Bodin 69001 Lyon